毎日頭の中が先生でいっぱいです
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こんにちは。タイトル通りしつこいでしょうがまだまだネタはつづきます。
どれくらいつづくか無計画です。おわるまで。
長いネタ考えてると途中であきてくるような気がしてならない。
息抜きにこういうの考えるのっていいなと思った。
でもシムノンは一日一章書いて、だいたい13日で一作品書いていたらしいから、それを考えると集中力ないと思う。別に専業作家でもなんでもないからどうでもいいんだけど。。シムノンとくらべるのがまちがっているけど。
メグレの全巻とDVDほしい。なぜに重版未定なのだ河出書房。。。そろえはじめたころはまだ書店にあったんだよ(つい3、4年前は!)、でもそのうちなくなってしまったんだよばかやろう!中古をあさるしかないんだろうが……ホームズ様のときとおなじく古本屋めぐりの旅ふたたびになってしまう。メグレものは近所の図書館で全部そろっているからまあいいけれど。。。
そんなことはどうでもよく、つづきからネタです。
どれくらいつづくか無計画です。おわるまで。
長いネタ考えてると途中であきてくるような気がしてならない。
息抜きにこういうの考えるのっていいなと思った。
でもシムノンは一日一章書いて、だいたい13日で一作品書いていたらしいから、それを考えると集中力ないと思う。別に専業作家でもなんでもないからどうでもいいんだけど。。シムノンとくらべるのがまちがっているけど。
メグレの全巻とDVDほしい。なぜに重版未定なのだ河出書房。。。そろえはじめたころはまだ書店にあったんだよ(つい3、4年前は!)、でもそのうちなくなってしまったんだよばかやろう!中古をあさるしかないんだろうが……ホームズ様のときとおなじく古本屋めぐりの旅ふたたびになってしまう。メグレものは近所の図書館で全部そろっているからまあいいけれど。。。
そんなことはどうでもよく、つづきからネタです。
ブラックジャック先生が、まさにホテルに入ろうとしていたドクターキリコのうでをおもいっきりつかむと、ドクターキリコはいっしゅんびっくりしたように身体をふるわせて(あたりまえですね)、ふりむきました。そうして、心の底からいやそうな顔をしました(ブラックジャック先生は、自覚はありませんでしたが、それにちょっと傷ついていました)。
「ブラックジャック先生か」
「きぐうだね」
ブラックジャック先生はしゃあしゃあとそんなことをつぶやきました。ドクターキリコはそれをむしして、ブラックジャック先生のうでをふりほどこうとしました。まさか逃げるわけはないでしょうから、ブラックジャック先生はあえてそれをこばみませんでしたが、そのふりほどきかたが、ばっちいものをたたきおとすようにとてもじゃけんだったので、先生本人はそんなことはみとめませんでしたが、またすこし傷つきました。
「こんなところでなにをしてるんだ?」
ブラックジャック先生は、いつもかならずこれをきくのでした。そうしてかならず、
「そんなことおしえるひつようはない」
といわれるのです。こんかいもそうでした。そしてドクターキリコのこたえはたしかに、そのとおりでした。べつに、こたえる義務はないのです。ブラックジャック先生は、それでまたまた傷つくので、それをかくすために、このあたりからもうおこりだすのでした。こんかいはさきほどのことがあって、ブラックジャック先生はもともときげんがよくありませんでしたので、いつもよりももっととげとげしい口調でいいました。
「おしえるひつようはない?こっちは、おまえさんがまたどこかでだれかをころしてるのかと思うと、はらがたってしょうがないんだ。こんかいはだれをころすんだ?」
ドクターキリコは心底うんざりしたような顔をしました。それにドクターキリコはブラックジャック先生よりは、よっぽどじょうしきじんでしたので、ホテルの前でこんな大声をはりあげられてはたまらないと思いました。ここでむりやりブラックジャック先生をひきはがそうとしても、よけいにめんどうなことになるのは目に見えていました。ドクターキリコはためいきをついて、話なら部屋で聞こう、といって、ホテルに入っていきました。ブラックジャック先生は、ドクターキリコの部屋に入れるので、実はとてもうれしかったのですが、なんだかあきらめたようなドクターキリコのたいどがきにくわなかったので、あいかわらずぶぜんとした顔をして、あとをついてゆきました。そのあいだも、ちくちくと皮肉をいうのはわすれませんでした。彼は、ドクターキリコのまえでは、とにかくなにかしゃべっていないとおちつかないのです。なにしろほんとうは、心臓がどきどきしているのですもの。
部屋のカギをうけとるとき、ブラックジャック先生も部屋のカギをうけとりましたので、ドクターキリコの顔があおくなりました。でもこれは、ほんとうのぐうぜんでしたので、ブラックジャック先生は、なんでもない顔をして、じゃあやくそく通りおまえさんの部屋にいこうか、といいました。ドクターキリコはしかたなく自分の部屋にむかいました。部屋のまえでドアをあけて、ブラックジャック先生を中に通しました。ブラックジャック先生のとまる部屋とはものの配置がぎゃくでしたが、ほとんどおなじ部屋でした。そうじされていて、きれいでしたし、ベッドはしわひとつなくととのえられていましたが、ブラックジャック先生は、そのベッドを見たとたん、心臓がぼーんとはねあがったようなきがしました。そしてあわててそんなわけはないと首をふり、またドクターキリコになにをしていたのかとといただしました。ほんとうは、あの女のひとがだれなのかがききたくてしょうがなかったのですけれど、それをちょくせつきくことはとてもできませんでした。ドクターキリコは、ものすごくつめたい目でブラックジャック先生をみると、ベッドにこしをおろし、ひとこきゅうおいてから、かちほこったようにいいました。
「ざんねんだったな。もうしごとはおわったんだ」
「なにい!?」
ブラックジャック先生は、りっぱなまゆげをつりあげて、それからせいだいにしかめ、ものすごい声をだしました。ドクターキリコは、それが不必要に大きいので、あわててゆびで耳をおさえました。そしてまたとてもめいわくそうな顔をしました。彼は、うるさいのがだいきらいなのです。とはいえ、このめんどくさい先生(とドクターキリコは思っていました)をてっとりばやくおいはらうには、それがいちばんいいと思ったのです。そしてまあ、じっさい、あてはまらないこともないのでした。
「おわったって、じゃあもうころしちまったのか!?」
「ああ、そうだよ、おあいにくさま」
ブラックジャック先生にまけないくらいの皮肉をこめて、ドクターキリコはそういって、せせらわらいました。こじんてきには、ころした、といういいかたにはカチンとくるものがありましたが、それをしてきしてしまっては、まためんどうなことになりそうでしたので、だまっていました。ブラックジャック先生は、いきなりのことに頭がふっとうしてしまい、わけがわからなくなってしまいました。つづきのことばをなにかいおうにも、うまいことばがみつかりません。口をひらいたりとじたりして、ぱくぱくしています。ドクターキリコは、それをみこしていたので、にやにやと笑いました。
「さあ、わかったらとっとと出ていってくれ」
ブラックジャック先生は、こぶしをにぎりしめました。このままでは、でていかざるをえないじょうたいでした。そこでとっさに、話をつづけるために、こうきいてしまいました。
「じゃあさっきいっしょにいた女はなんだ!」
ドクターキリコは、ぎょっとしたような顔をしました。
「……おまえさん……なんでそれを……!」
ただストーキングしてきただけなのですが、こんどはブラックジャック先生が、かちほこったように笑いました。
「なんで知ってるんだ?……つけてきたのか」
「さあね。そんなことはどうでもいいじゃないか」
「よくない!おまえさんきもちわるいぞ!ひとのいくさきざきにあらわれるし、さきまわりされるし、かんじゃはとられるし、けいさつにつきだされるし……おれのことをきらいなのはわかるがね、いいかげんにしてくれないか」
ドクターキリコは、ほんきでおこっているようでした。ブラックジャック先生のように大声をだすことはしませんでしたが、顔はしんけんそのものでした。でも、ブラックジャック先生は、そんなことをきにするようなひとではありません。そもそもそんなせんさいな神経では、無免許でお医者さんなどやっていられないのです。
「おまえさんがそのけったいなひとごろしをやめたら、やめるさ。で、さっきの女はだれなんだ」
ブラックジャック先生は、きいてしまったものはしょうがないと、すっかりひらきなおっています。ドクターキリコは、ブラックジャック先生をきっとにらみました。
「それこそかんけいないだろう。彼女が妹だろうが親せきだろうが、友人だろうが婚約者だろうが、おまえさんにはなんのかんけいもないことだ」
ブラックジャック先生は、婚約者、というひとことに、血管がきれそうになりました。
「婚約者!?そうなのか!?」
「はあ?なんでそこにくいついてくる?」
「なんだ、ちがうのか?」
「だから、かんけいないだろう!だいたい、しつこいんだ、おれはしつこいのとうるさいのはだいきらいなんだよ!おまえさんをみると、まいどまいどストレスではきそうになるんだ、たのむからとっととでていってくれ!」
これは、ききました。ドクターキリコはこれまでもブラックジャック先生とやりあっては、いろいろといってきたものですが、ブラックジャック先生は、ここまでひどいいわれかたをされたことはありませんでした。まいかい、なんだかんだでいやそうな顔をしても相手をしてくれるので、ブラックジャック先生は、心のどこかで、彼もほんとうにそこまでいやなわけではないと思っていたのです。
ブラックジャック先生は、ドクターキリコの顔を見ました。ほんとうにいやそうな顔、めいわくそうな顔をしていました。ブラックジャック先生はふと、さきほどきっさ店で見た、ドクターキリコのたのしそうな顔をおもいうかべました。あのときのドクターキリコは、ほんとうにたのしそうでした。ところが、いま目のまえにいるドクターキリコは、ふきげんで、いらいらいしていて、こころのそこから、ブラックジャック先生をじゃまものあつかいしていました。
ブラックジャック先生は、ぞくにいう、うちのめされたじょうたいになりました。ドクターキリコが、ほんとうに自分をきらっている、ということがわかってしまったのです。彼はもう、ドクターキリコにつっかかっていくげんきはありませんでした。いかりさえも、きえてしまいました。そんなものがあったところで、なんのやくにたつでしょう?ドクターキリコは、彼のことがきらいなのです。彼がなにをしても、ますますきらいになるだけです。
みなさんは、もうとっくにおわかりですね。ブラックジャック先生は、ドクターキリコをだいっきらいだといってはばかりませんが、じつはまったくその逆で、超だいすきなのです。きになってしょうがないのです。ところがブラックジャック先生は、ドクターキリコがだいすきなことを、すなおにみとめたり、話したりできないのです。それどころか、ドクターキリコをみると、はずかしかったりむねがどきどきしたりするので、ぐわーっとなって、自分でもちょっとわけがわからなくなってしまい、思わずつっかかっていってしまうのでした。そして、ブラックジャック先生はそうやって、なんとかドクターキリコにかんしんをもってもらおうとしているのでした。けれど、ドクターキリコというひとは、おおさわぎとかうるさいのがきらいなひとでした。彼は、根がとても静かなひとなのです。仕事の内容こそちょっとおそろしいものではありますが、それも彼なりに病気のひとのためを思っているのでしたし、ほんとうはとてもやさしいひとなのです。ですから、ブラックジャック先生のようにがさつで、うるさくて、しつこいのはだいっきらいでした。ブラックジャック先生は、さいしょっから、もう180度ドクターキリコへのせっしかたをまちがえているのです。
ブラックジャック先生は、とてもかなしいきもちになって、なにもいわずにドクターキリコの部屋をでて、ドアをしめました。ドクターキリコがちょっとひょうしぬけした顔をしていましたが、それも見てはいませんでした。そうしてただ、ろうかをうつむきかげんでとぼとぼとあるいて、エレベーターがあるのに階段をつかって、なんとか自分の部屋にたどりつくと、ベッドにたおれこんで、あたまからふとんをかぶり、まるくなってしまいました。
では今日のところはこれくらいにして、次はふてねをしているブラックジャック先生のところへ、ドクターキリコがたずねてくるお話をしましょう。
つづきは明日……読み返してみたら、今回(も)つまらんかった、すいません。
「ブラックジャック先生か」
「きぐうだね」
ブラックジャック先生はしゃあしゃあとそんなことをつぶやきました。ドクターキリコはそれをむしして、ブラックジャック先生のうでをふりほどこうとしました。まさか逃げるわけはないでしょうから、ブラックジャック先生はあえてそれをこばみませんでしたが、そのふりほどきかたが、ばっちいものをたたきおとすようにとてもじゃけんだったので、先生本人はそんなことはみとめませんでしたが、またすこし傷つきました。
「こんなところでなにをしてるんだ?」
ブラックジャック先生は、いつもかならずこれをきくのでした。そうしてかならず、
「そんなことおしえるひつようはない」
といわれるのです。こんかいもそうでした。そしてドクターキリコのこたえはたしかに、そのとおりでした。べつに、こたえる義務はないのです。ブラックジャック先生は、それでまたまた傷つくので、それをかくすために、このあたりからもうおこりだすのでした。こんかいはさきほどのことがあって、ブラックジャック先生はもともときげんがよくありませんでしたので、いつもよりももっととげとげしい口調でいいました。
「おしえるひつようはない?こっちは、おまえさんがまたどこかでだれかをころしてるのかと思うと、はらがたってしょうがないんだ。こんかいはだれをころすんだ?」
ドクターキリコは心底うんざりしたような顔をしました。それにドクターキリコはブラックジャック先生よりは、よっぽどじょうしきじんでしたので、ホテルの前でこんな大声をはりあげられてはたまらないと思いました。ここでむりやりブラックジャック先生をひきはがそうとしても、よけいにめんどうなことになるのは目に見えていました。ドクターキリコはためいきをついて、話なら部屋で聞こう、といって、ホテルに入っていきました。ブラックジャック先生は、ドクターキリコの部屋に入れるので、実はとてもうれしかったのですが、なんだかあきらめたようなドクターキリコのたいどがきにくわなかったので、あいかわらずぶぜんとした顔をして、あとをついてゆきました。そのあいだも、ちくちくと皮肉をいうのはわすれませんでした。彼は、ドクターキリコのまえでは、とにかくなにかしゃべっていないとおちつかないのです。なにしろほんとうは、心臓がどきどきしているのですもの。
部屋のカギをうけとるとき、ブラックジャック先生も部屋のカギをうけとりましたので、ドクターキリコの顔があおくなりました。でもこれは、ほんとうのぐうぜんでしたので、ブラックジャック先生は、なんでもない顔をして、じゃあやくそく通りおまえさんの部屋にいこうか、といいました。ドクターキリコはしかたなく自分の部屋にむかいました。部屋のまえでドアをあけて、ブラックジャック先生を中に通しました。ブラックジャック先生のとまる部屋とはものの配置がぎゃくでしたが、ほとんどおなじ部屋でした。そうじされていて、きれいでしたし、ベッドはしわひとつなくととのえられていましたが、ブラックジャック先生は、そのベッドを見たとたん、心臓がぼーんとはねあがったようなきがしました。そしてあわててそんなわけはないと首をふり、またドクターキリコになにをしていたのかとといただしました。ほんとうは、あの女のひとがだれなのかがききたくてしょうがなかったのですけれど、それをちょくせつきくことはとてもできませんでした。ドクターキリコは、ものすごくつめたい目でブラックジャック先生をみると、ベッドにこしをおろし、ひとこきゅうおいてから、かちほこったようにいいました。
「ざんねんだったな。もうしごとはおわったんだ」
「なにい!?」
ブラックジャック先生は、りっぱなまゆげをつりあげて、それからせいだいにしかめ、ものすごい声をだしました。ドクターキリコは、それが不必要に大きいので、あわててゆびで耳をおさえました。そしてまたとてもめいわくそうな顔をしました。彼は、うるさいのがだいきらいなのです。とはいえ、このめんどくさい先生(とドクターキリコは思っていました)をてっとりばやくおいはらうには、それがいちばんいいと思ったのです。そしてまあ、じっさい、あてはまらないこともないのでした。
「おわったって、じゃあもうころしちまったのか!?」
「ああ、そうだよ、おあいにくさま」
ブラックジャック先生にまけないくらいの皮肉をこめて、ドクターキリコはそういって、せせらわらいました。こじんてきには、ころした、といういいかたにはカチンとくるものがありましたが、それをしてきしてしまっては、まためんどうなことになりそうでしたので、だまっていました。ブラックジャック先生は、いきなりのことに頭がふっとうしてしまい、わけがわからなくなってしまいました。つづきのことばをなにかいおうにも、うまいことばがみつかりません。口をひらいたりとじたりして、ぱくぱくしています。ドクターキリコは、それをみこしていたので、にやにやと笑いました。
「さあ、わかったらとっとと出ていってくれ」
ブラックジャック先生は、こぶしをにぎりしめました。このままでは、でていかざるをえないじょうたいでした。そこでとっさに、話をつづけるために、こうきいてしまいました。
「じゃあさっきいっしょにいた女はなんだ!」
ドクターキリコは、ぎょっとしたような顔をしました。
「……おまえさん……なんでそれを……!」
ただストーキングしてきただけなのですが、こんどはブラックジャック先生が、かちほこったように笑いました。
「なんで知ってるんだ?……つけてきたのか」
「さあね。そんなことはどうでもいいじゃないか」
「よくない!おまえさんきもちわるいぞ!ひとのいくさきざきにあらわれるし、さきまわりされるし、かんじゃはとられるし、けいさつにつきだされるし……おれのことをきらいなのはわかるがね、いいかげんにしてくれないか」
ドクターキリコは、ほんきでおこっているようでした。ブラックジャック先生のように大声をだすことはしませんでしたが、顔はしんけんそのものでした。でも、ブラックジャック先生は、そんなことをきにするようなひとではありません。そもそもそんなせんさいな神経では、無免許でお医者さんなどやっていられないのです。
「おまえさんがそのけったいなひとごろしをやめたら、やめるさ。で、さっきの女はだれなんだ」
ブラックジャック先生は、きいてしまったものはしょうがないと、すっかりひらきなおっています。ドクターキリコは、ブラックジャック先生をきっとにらみました。
「それこそかんけいないだろう。彼女が妹だろうが親せきだろうが、友人だろうが婚約者だろうが、おまえさんにはなんのかんけいもないことだ」
ブラックジャック先生は、婚約者、というひとことに、血管がきれそうになりました。
「婚約者!?そうなのか!?」
「はあ?なんでそこにくいついてくる?」
「なんだ、ちがうのか?」
「だから、かんけいないだろう!だいたい、しつこいんだ、おれはしつこいのとうるさいのはだいきらいなんだよ!おまえさんをみると、まいどまいどストレスではきそうになるんだ、たのむからとっととでていってくれ!」
これは、ききました。ドクターキリコはこれまでもブラックジャック先生とやりあっては、いろいろといってきたものですが、ブラックジャック先生は、ここまでひどいいわれかたをされたことはありませんでした。まいかい、なんだかんだでいやそうな顔をしても相手をしてくれるので、ブラックジャック先生は、心のどこかで、彼もほんとうにそこまでいやなわけではないと思っていたのです。
ブラックジャック先生は、ドクターキリコの顔を見ました。ほんとうにいやそうな顔、めいわくそうな顔をしていました。ブラックジャック先生はふと、さきほどきっさ店で見た、ドクターキリコのたのしそうな顔をおもいうかべました。あのときのドクターキリコは、ほんとうにたのしそうでした。ところが、いま目のまえにいるドクターキリコは、ふきげんで、いらいらいしていて、こころのそこから、ブラックジャック先生をじゃまものあつかいしていました。
ブラックジャック先生は、ぞくにいう、うちのめされたじょうたいになりました。ドクターキリコが、ほんとうに自分をきらっている、ということがわかってしまったのです。彼はもう、ドクターキリコにつっかかっていくげんきはありませんでした。いかりさえも、きえてしまいました。そんなものがあったところで、なんのやくにたつでしょう?ドクターキリコは、彼のことがきらいなのです。彼がなにをしても、ますますきらいになるだけです。
みなさんは、もうとっくにおわかりですね。ブラックジャック先生は、ドクターキリコをだいっきらいだといってはばかりませんが、じつはまったくその逆で、超だいすきなのです。きになってしょうがないのです。ところがブラックジャック先生は、ドクターキリコがだいすきなことを、すなおにみとめたり、話したりできないのです。それどころか、ドクターキリコをみると、はずかしかったりむねがどきどきしたりするので、ぐわーっとなって、自分でもちょっとわけがわからなくなってしまい、思わずつっかかっていってしまうのでした。そして、ブラックジャック先生はそうやって、なんとかドクターキリコにかんしんをもってもらおうとしているのでした。けれど、ドクターキリコというひとは、おおさわぎとかうるさいのがきらいなひとでした。彼は、根がとても静かなひとなのです。仕事の内容こそちょっとおそろしいものではありますが、それも彼なりに病気のひとのためを思っているのでしたし、ほんとうはとてもやさしいひとなのです。ですから、ブラックジャック先生のようにがさつで、うるさくて、しつこいのはだいっきらいでした。ブラックジャック先生は、さいしょっから、もう180度ドクターキリコへのせっしかたをまちがえているのです。
ブラックジャック先生は、とてもかなしいきもちになって、なにもいわずにドクターキリコの部屋をでて、ドアをしめました。ドクターキリコがちょっとひょうしぬけした顔をしていましたが、それも見てはいませんでした。そうしてただ、ろうかをうつむきかげんでとぼとぼとあるいて、エレベーターがあるのに階段をつかって、なんとか自分の部屋にたどりつくと、ベッドにたおれこんで、あたまからふとんをかぶり、まるくなってしまいました。
では今日のところはこれくらいにして、次はふてねをしているブラックジャック先生のところへ、ドクターキリコがたずねてくるお話をしましょう。
つづきは明日……読み返してみたら、今回(も)つまらんかった、すいません。
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