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毎日頭の中が先生でいっぱいです
2025/04
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こんばんは。なんだか寒くなってきましたね。秋ですね秋!(相当うれしいらしいです)
だんだんエネルギーが内にこもってくる時期なわけでありますが、フルタリ一貫ではいかんな、と思いごはんをつくりだしました。料理ですか?割合得意ですよ(きいてない)
なんだか肉の触感が恋しくなったことに気づいたので、エリンギ先生にご登場願いました。エリンギ先生は偉大です。

さてさて、以下ネタです。ちょっと久々だなあ。美容院で髪あらってもらってるときに、デヴィッドボウイをBGMに、思いつきました。相変わらずくそまじめなものをサイトあげ用に書いてるので、ネタはらぶい一辺倒であります。よろしければどうぞ。。




 雨が細い糸のように降り続いていた。ソファで昼寝を決めこもうと思ったが、妙に静かなので逆に寝つけず、やめた。だだっぴろい家の中を探索しようかとも思ったがほとんど知っていることに気づいてやめた。おやつどきにはまだはやいし、それ以前にここの家にはおやつなんてものはない。キリコの広げていた本をめくったがこれまたすぐに放り投げた。なにを云っているのやらさっぱりわからない。おまえはバカだ、と云われているような気がして不愉快だ。だいたいが、キリコ先生のお読みになるものは難解にすぎる。ブラックジャックは行動に思想を要さない。他人の指図も指南も要さない。だから、書物は基本的に必要ない。だいたい、他人の人生や頭の中などのぞいたところで楽しいものか。
キリコ先生はこの雨の中を、さきほど間違って届いた郵便をつき返しに出かけて行った。差出人はひどく難解な文字と数字を書く人物で、郵便局員が番地を見誤ったものらしい。しかも運悪く国際便だったものだから、これはあのへんな外人のところだろうと思われたんでしょうよと、ふたりして顔を突き合わせて解読にはげんだあげく、キリコは笑って云った。そんなものは雨があがってから届ければいいのに、と云ったが、お散歩がてら、と云ってきかなかった。車で送る、と云うと、ガソリンがもったいない、とにべもなく断られた。こうもり持っていけよ、と云うと、こうもりって?とはじめて好感触な反応が返ってきた。傘のことさ。傘がなんでこうもりなんだろう。さあ、黒いやつはひろげるとこうもりみたいだとかきっとそんな理由だよ。キリコは苦笑して、ちゃんと持っていきますよ、と云って出ていった。
彼はとうとうベッドにもぐりこんで本格的に眠る体制をとった。ベッドのそこかしこに、例の長い髪の毛が数本ちらばっている。なんとはなしにかきあつめて、ひっぱって伸ばしてみたり、指先に巻きつけてみたり、そういうくだらぬひとりあそびをしてみる。本人と、本人の残す痕跡、そのどちらをより好んでいるだろうか、というようなことを彼はぼんやりと考えた。ときと場合によって微妙であるように思う。たとえばふと目覚めたときに、となりにそのひとはいなくともまだわずかなあたたかみがあった場合の幸福感と、実物がとなりにあるときの幸福感と、そのどちらかを選べ、と云われたら、選択は困難を極めるように思う。本人の頭にしがみついている髪の毛も好きだが、そこから落ちてしまったやつも好きだ、と云ったらきっとすこし複雑な顔をするだろうな。…………
玄関のドアが開く音がして、眼を開けた。数度あちこちのドアが開いて、閉まる音が続いた。たぶん、いると思っていたところにいないから、探しているのだろう。ほどなくここのドアも開くに違いない。彼は頭から布団をかぶり、中にもぐりこんだ。いま来るかもしれない、という不思議などきどき感は、かくれんぼなんかをしたときのそれに似ている。もっとも、あまりそういうものをわいわい楽しんだ記憶はないけれど。
寝室のドアが開けられた。ブラックジャックは反射的に息をひそめ、漏れそうになる笑いをおしとどめた。ベッドの上のふくらみをたしかめに、キリコがすぐそばまで歩いてきたのがわかった。
「誰さがしてんの」
布団の中から、声をかけた。すこしの間があって、キリコがうちの先生をね、とこたえた。くだらない遊びの意図が伝わったらしかった。
「顔に大きい傷があって、半分黒で半分白いおかしな頭をしてるひとなんだけど」
「じゃあここにはいないよ」
「そう。どこに行ったんだろう。外に遊びに行ったのかな。ところで、それじゃあお布団の中のあなたはどなた」
キリコが布団の端をめくりあげると、たまらなくなってブラックジャックはふきだした。
「ああ、ここにいたの、先生」
キリコが眉をつりあげて、はじめて気がつきましたというような顔までしたから、ブラックジャックは笑って、くっだらないことしてるよなとつぶやいて起きあがった。
「遊ぶってことは大事なことですよ」
キリコは真顔でそんなことを云うと、すこし乱れた彼の頭をなでつけた。その手はいつもよりもすこし冷たかった。
「郵便置いてきた?」
「一応ね。盛大に感謝されたりして」
「そりゃそうだ。こんな雨の日にご丁寧にわざわざ届けに行くなんてあんたくらいだよ」
そうかな、と云ってキリコは寝室を出た。ブラックジャックもそれに続いた。
「別に寝ていてもいいのに。お風呂に入るから」
「風呂?」
「先生のご忠告どおり傘を持っていったけど、やっぱり濡れて帰ってきてしまったからね」
「あんたも傘きらいなのか」
「あんまり好きじゃないねえ」
ブラックジャックは手をのばして、キリコの髪の毛に触れた。湿っている。すこし湿ったそれも、彼の大変に好むところである。
「洗ってやろう」
「はい?」
「洗髪屋さんになる、おれ。1回5千円」
「そんな商売あるんですか」
「さあ」
肩をつかんで風呂場へ押しやろうとするブラックジャックに、キリコはあわててタオルをとってくると云って、それをかわした。


つづきます。つづきが洗髪ネタです。
ここで若干エロいことかいていいですか?だめですか?だめですね?はいわかりました。
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